Team Kyosho (ひろさか)活動レポート


 活動レポート 1 
 2007/01/19〜22日 シンガポールにて初合同テスト


 1月19日(金) 中国より香港を経由、シンガポールへ...
 空港にてニコラス親子と再会、勿論これまでに何度も対面して
 いるが、正式に発足してからの、初めての対面でお互いに少し
 緊張気味。食事をしながら明日からのテストの打ち合わせを
 する。
 今回は事前に1台練習用にスタリオンのキットを送って自分で
 組立をする様に伝えてあった、そして私の方でも一台テスト用に
 スタリオンを用意している。
 今日は私は台湾、中国、香港と回り長旅で少しつかれたので
 早々にホテルに戻り英気を養う。

 1月20日(土) 8時ホテルを出発コースへ向かう。
 彼のホームグランドは、シンガポール市内の一角にある、
 RACE CRAFT INFINITY PTE というコース。
 決して立派とは云えないが大きくてグリップも良く非常に良い
 コースだ。ショップのオーナーをはじめ、地元のドライバー達も噂
 を聞き掛けつけて興味津々で見守ってくれた。皆大変快く応援
 してくれたのが印象的だ。

 さてどうしょうか?
 まずはお互いのコミュニケーションを取る事が大切、彼は勿論
 英語を話すが私は非常にプアーな為言葉では完全に通じない
 勿論彼は日本語は話せ無い。でも今は日本語の勉強勉強を
 始めた様だ。でもお互いに気持があれば言葉等問題は無い。
 中国でもそうだが必要とあれば自分達の言語を作ってしまう。
 ベリーハウツウデス。(大変美味しいです)なんて日中英の
 ミックスで人には分からない言語を作ってしまう。(笑)

 今回は初回の為に、まずは今までの自分のやり方を見させて
 もらい、彼の性格等を観察する事とした。
 マシンも自分で組み立てたものでスタートしよう。これは全くの
 キット標準状態
走行を開始。殆ど人が走行させていないのに
 まずまずのグリップ。殆ど問題無く走行している。廻りの皆も
 注目しているので少し走りに緊張感が見える。
 走行後感想を聞く、前後とももう少しグリップが欲しいと言う。
 これは私の見解と一致。この車で問題は無さそうなので、これを
 煮詰めて行こう。初走行のラップタイムはベストで16秒台、
 自己ベストは?レースで出した13.3秒と言う。じゃあ今回は
 それを上回るのを目標としよう。グリップの低い練習時でレース
 のベストタイムを抜くことは非常に難しい。これを超えれば確実
 に上回った事と考えても良い。あと3秒...何とかなるよ。
 
 まずはリアグリップの向上から、今回はオプションパーツも少なく
 手持ちのパーツのみで出来るだけのデータを取ろう。これは
 いつも私がHMSで一番最初にやる事だが、リヤースタビを取り
 外す。普通は皆少し驚くのだか彼は何も言わず、ハイ。そして
 走行。変化は? 少しアンダーになりました。そう、リアグリップが
 上がればアンダーになる、当たり前の事、確認でもう一度前と
 同じものを取り付ける。少しグリップが落ちました。そうこれで
 決定。

 次はリアのダンパーを寝かせたり、スプリングを交換して柔らかい
 方向へ持って行く。繰り返し何度も確認しながらテストを続ける
 どんどんと車は曲がらなくなって行く。タイムも殆ど向上しない。
 路面のグリップも少しずつ上がるがタイムはようやく15秒台に
 入るのがやっとの事。この辺りになると普通はドライバーの少し
 不安になるのだが、彼は全く動じずただひたすらに走行テストを
 続ける。よしこの辺りで今度は曲がる様に持って行こう。そうすれば
 一気にタイムを上げる事が出来る筈...ではまずはフロントの
 スプリングを硬くしよう。と言った途端、なにやら雲行きが...
 一気に夕立まさにバケツをひっくり返した様な雨。これはもう今日
 はダメかな? しばらくして雨は止み皆でコース整備を。もう少し
 で乾くと思ったら又にくい雨が...今日はもうあきらめて帰ろう。
 今までの復習をして本日のテストは打ち切り明日に頑張ろう。
 
 丁度近くで明日KYOSHOのミニインファーノのレースがある為
 にコースの設置をしていると言う事でそこへ言ってみよう。
 

 1月21日(日)
 8時出発、昨日の雨が少し残っているが、天気もよいので路面
 は直ぐに乾きそう、準備を始める。私は充電を始めニコラスは
 タイヤを作る。今日は昨日の続きから開始、まずは路面の状況
 を確かめる為に昨日と全く同じ状態より開始する。
 時間と共に気温も上昇、たぶん25度以上はあると思う、久々
 に汗をかく路面も乾き走行を始める。今日はまだ他のドライ
 バー達は誰もいない。日曜日は皆家族サービス等で人は非常
 に少ないそうだ。このあたりは、少し日本と違うようだ。

 走行を開始、少しグリップは低いようだが問題は無さそう。昨日
 は殆どタイムアップが見られなかった為、親父さんも少し不安
 そうな顔、今日はフロント部のセットに取り掛かる、これで一気に
 タイムが上がるはず...。
 
 私はニコラスに、どうなればよい?と尋ねる。もっと曲がってほしい!
 当然だ、まともな答え。昨日はリアグリップを順次上げていった為に
 車はどんどんと曲がらなくなっている。ここで今度はフロント部で
 曲がる様にしよう。途中でフロントを触らないのが、私流のセット
 のやり方...
 
 前後を同時にやると、何が変化したのか?だんだんと分からなく
 なるからである。まずはダンパーを立ててみよう。標準では
 センターの穴を使用している、リアがかなり柔らかいセットとなって
 いるが、フロントもかなり柔らかい、これではアンダーが出る。
 分かりやすくする為に一気に一番外の穴にする。走行を見る、
 一周回って来ると親父さんが思わずにっこり、車が見るからに
 良く曲がる、タイムも1秒近く早くなり14秒台に突入、操縦台
 を降りてきたニコラスは少し微笑んで、ちょっと曲がる様になり
 ました。
 
 何故もっと早くこれをやらなかったか? 昨日は半日もかけて
 アンダーな車を走らせていた。理由は、リアのグリップが完全に
 確保されていない状態でフロントを触ると、オーバーになり過ぎて
 フロントの限界を見誤ってしまう。たぶん昨日の途中で同じ
 テストをしたならば、もうこれ以上フロントを硬くすれば、スピン
 状態となりこれが限界だと認識してしまうだろう。

 OK! じゃもっと硬くしよう、今度はスプリングを硬いものに変更
 する。今度は私の試作のスプリングを使用する、これはスプ
 リングレートのデータを取ったものでレートの差がはっきりと分かる
 (12種類製作)



 まずは標準のもの(データ無し)とほぼ同じ様なものを装着して
 走行、
少しグリップが上がった模様そこから順次少しづつ
 上げていくとどんどんと曲がる様になり、それに伴ってラップタイム
 もどんどん更新し、早くも自己ベストを更新。親父さんは
 有頂天...何か飲み物はいりませんか? じあちょっと甘えて、
 さとうきびジョースを...(ちょっとうるさいので買い物に...笑)
 まだまだ勝負はこれから、ニコラスは相変わらずポーカーフェイス、
 こんな所が私は大変好き...

 
 順番にスプリングを硬くしていくと共に車も曲がる様になってくる
 一度に大きく変えてしまうと変化が大きくなり過ぎて、操縦感覚
 が付いていかなくなる為に少しづつ変えてはまた確認の為一度
 逆戻りをする。そしてついに一番硬いものまで行ってしまった。
 これでもまだもう少し硬くても問題は無さそうだが、もう手持ちの
 ものは無い。次回もう少し硬いものも用意する必要がある。
 ダンパーの取り付け位置も一番外側、これももう少し外があって
 も良いかな?
 
 ダンパーでは現段階ではこれが限界かな? では次はスタビを
 テストしよう。フロントをテストする前に、リアを確認をする。今は
 リアのスタビは付いていない。リアに1.2mmを装着して走行。
 今度は車が曲がり過ぎで操縦が難しくなった では、1mmでは
 どうか? これでも少し曲がり過ぎる。じゃ、とりあえずリアは無し
 にする。これだと又少しアンダーとなる。ここでフロントを1.2mm
 から1.4 に交換、いい感じに少し曲がる、次は1.6 これも
 とてもいい感じになった。ただこれもこれが限界。こちらももう少し
 硬いものがあっても良い感じ。スタビの支点を変えてみるのも
 良いかも知れない...
 
 全体的にはかなり良くなって来た、あともう少し曲がってくれれば
 良いのだが、ここでもう一度1mmのリアスタビを取り付ける。
 やはり少しグリップが落ちる。リアも0.8mm位が丁度良いかも
 しれない。
 
 テストも長くなりドライバーも車も疲れてきたので最終のまとめに
 入る。ここまで殆ど他の箇所は触らず、タイヤも2セットで使い
 まわしをして来た。タイヤも限界に近い。ここでタイヤも新品に
 交換しデフや簡単な整備をして2パック最終トライとしよう。
 
 レースのつもりで気合を入れて走って! スタート直後からベスト
 ラップ更新今までに無いラップで走行する...これは良い記録
 が出るかな? と思った2分過ぎ、小雨が...急にドリフト状態
 に。走行ストップ! うーん残念だけど今回はもうこれで終わりと
 しよう。今回は初めてにしては良いテストが出来たと思う。あとは
 食事をしながらでも復習をしよう。
  
 今回は、ダンパーとスタビしかテストをしていない。後は一切何も
 触らずにテストをした。しかしたったこれだけの事で、車の状態は
 かなり良くなったと思う。まだまだ、やる事は一杯ある。サスジオ
 メトリー、(Iアームや、サスマウント)の位置変更、アッカーマン、
 ダンパーオイル、ボディ等...これらは次回にしよう

 今日やった事はメモ等取る必要は無い、いつも同じ結果が出る
 とは限らないただ変化の感覚をしっかりと覚える様に、忘れたら
 何度でも同じ事を繰り返す。必要なのはダンパーの位置を
 一箇所変えた時やスプリングを変えた時の変化の感覚だ。
 これは数字等では表せない、これを私に分からせる事が大変
 重要な事だ。

 次回は2月タイでのTITCレースで初のレース参加となる。それ
 までの宿題として今回の復習をして置く事、車のセッティング等
 はしなくても良い、各部の変化をしっかりと認識出来る様にする
 事が大事だ。
 
 次回TITICでは、成績よりもレースの練習で準備からレースに
 向う心構えそしてレースの戦い方を勉強していこう。

 次回は今回勉強した事を車に反映させ私が組んだ車でレース
 に参加しよう。

 お疲れ様でした。 

 
 今回、私が見たニコラス選手の評価

 性格的にはかなり大人しく無口で頭は良さそう。
 ちなみに学校での成績はトップクラスとの事。
 ちょっと神経質で気が弱そうな所がある。(あまり笑わない) 
 操縦テクニックは中の上かな? しかしクラッシュが非常に少ない。
 走行パターンはスムーズ型。(かなりパワーがセーブされる走行)
 追い越し、他車との絡みは、下手。
 集中力は優、期間中殆ど他人との話や他の事柄の話は無し。
 



 今回の主な使用アイテム
 
 車両 TF−5 スタリオン キット標準(Rデフのみアルミ製)
 プロポ KO
 ボディ RIDE マツダ6
 タイヤ SOLEX 40R
 ホイール POWERS
 インナー POWERS
 モーター NOVAK ブラシレス 4.5
 アンプ  NOVAK
 バッテリー H−Energy 4300
 



 初のテストコースとなったRACE CRAFT INFINITY 
 PTE





KYOSHO CUP が開催される会場にてテスト走行